薬は自分

曇りがちなこの世
雨の隙間に撮影に行こうかとも
思ったが、改めて
あるときに
もう撮れるように
なっているわけだから
いいか
と思うように
どうせファインダーは見てないので
写る時は向こうから写る
これが海の宇宙との普遍的な
約束のない約束
人はこの右回りに高速回転する地球そのもが生きていて
人はそこに寄生しているに過ぎないのだと
忘れがちだ
海の中にも山があり
渓谷がある
それは隆起した山とつながる
低いところに川や海があるだけ
珊瑚は海の御神木
陸地ではバリのガジュマロに四角い江戸時代の浮世絵にも出てくる意匠
市松格子のガラ模様の布が巻かれ
線香や供物が絶えない
これは聖域
お葬式でもこの衣装を着た
耳に赤いハイビスカスを挟んだ
おじいさんたちががゆっくり槍を持ち舞う姿は感動的だった
海の中はもう一つの世界で国
海そのものが神域で聖域であることを
古来の人は知っていたから
心を傾けてきた
貝を吹く(たてる)のはバラモン教もマオリも、ハワイアン も同じ
日本の山伏も
羽黒山伏の衣装も市松模様
海の命を山で震わせることで
命の循環を表していると聞いた
人間様は余計なことばかりしている
写真も同じく
撮れてなくても後から色をいじり
好きな部分だけカットして使うトリミング
が横行
これは写真ではない
安易に物や好みの欲が手元に目先に
手に入る間違え
に気づかないといけない
なんでも一つの道は時間もかかる
デジタルカメラも
もう新しいものは作らないでほしい
十分だ
多様性というのは海中のこと
人間界で多様性と
間違った広告が横行している
多様性はお互いが、環境は破壊せず、利己的に占有せず、宣伝せず
適材適所で、絶妙なバランスで循環し
また相互に一つの有機的なシステムとして
あるジェームスらブロック博士のいうガイア=有機体
ごく自然にお互いが海風のようにあること
おもちゃの金券 金がなくても
彼らは40億年自給自足
近所に十五年くらい路上生活を
している方がいる
コロナの時も
マスクだらけの人々の雑踏のなか
公園で拾ったタボコ を燻らせ
新聞を読みながら
ニコニコ手を振る姿
は
豊だな ーと思った
話し始めたの十年後のある日
おしの方かと思ったら
そうではなかった
何かを差し上げると
いらないと
いや余ったからと
差し上げると拝んで笑顔で受け取り
そのうちにお返しももらうように
新聞や雑誌はいつも最新を持っている
誰に諂うわけでも
今の都会と自然に生きている
彼こそが本当の気高い御仁
時は向こうから来る
あとは群れずに黙って
行動するのみ
しのごの行ったって
波がきたら前へいくしかない
退いたら大波に巻かれ
気持ちも負ける
ドアや様々な機械で空調し
いかした植木鉢でへうあで飼育する木々は弱る
本来のように雨や風に当たらないと
自然の強さを避けて生きると忘れがちな
都会の蟻塚の隙間で生きる我々
宇宙と自然界に身を置いて
古武道やうみでおよぎ
ちょっと命の儚さと危なさを感じること
テレビは捨てて
目には見えない、神経や感覚が何もしないで
も思い出す
ナビなんかない古い車に乗り
エンジンやミッションや匂いや車の挙動を
感じるのもいい
何はともあれバランス
都会の山居を忘れずに
部屋に迷い込んだ虫を殺さず逃がしてあげる
元々は狐や虫やサメの住んでいた世界に
人間が占拠したのだから
とにかく靴を脱いで
山や海へ行く
古来の日本人の持っていた霊性の高さや
直感が刀のようになり
海中の風が気になるようになる
夢も鮮明観るようになる
自ずと調律していく
薬は自分