後で知る

海に浮かび
一面が雨に包まれた
水面を叩く音
休まず迫りくる波

ここは南太平洋の沖合400m
誰もいない昔のままの地球と海

これ以上の無常の幸せ感はない

フィジーのタバルア島の波も早かった
がそんな速さを超えた
回転する波

水深2.5m
そこは一面のサンゴの岩盤
潜って逃げる波の下は70〜80センチ
少しでも高いと波に巻き込まれ海底に叩きつけられるだろう

経験が邪魔をする
恐怖を脱ぎ去るために
あらゆる呪文や祝詞を唱える

野生の感覚再来!
都会で忘れた周囲に張り巡らせるセンサー
5感なんて気持ち悪い

人間は大自然で生死が関われば
幾重もの感覚があると知る

大事なのはやる気!
気力
楽しむこと
泳力
体力

あとは茶碗のサイコロ

自らが飛び込んだ茶碗で
チンチロリンと
暴れまくる波をかわす

サイコロは一つ

激流れに乗り
その流れを利用し

回転して茶碗から飛びださぬよう
水中で動き回り

元の姿勢
水面立ち泳ぎに戻る

礼を尽くす

礼を捧げる

これがアイヌをはじめ古来の人々が
ごく自然にたむけてきた日常である

誰かが一生懸命考え出した
教科書や教えは
蚊帳の外へ

生きるか死ぬかは運と感覚

その感覚を知れば知るほど
体は自由に動く物だ

無心とは
ずっと後で知ること

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