題名はないのが写真

よく聞かれるのですが
題名はつけないんですか?

はい
題名はないです
 

後からつけられないです

写した時には、題名なんかないですからね

作品とは

写真はそのままでないと写真ではない

昨今のカメラマンの意図する写真に作りあげる1枚は
グラフィックであり
策品

作品とかくと
作った物を感じる

ましてそこに
撮った時には、無いはずの題名をつけるなんて
馬鹿げた話しだ

僕はこのまま
これからも
波も人も
題名のない
ドキュメンタリーな1枚で行きたい

読む力を育てることが
芸術だと思う

読む力のある1枚は
そこのいて
そこのある角度に風のように
溶け合い入り込み

押してみた1枚
もちろん
ノーファインダー

海風や川風を全身で感じる以上に
胸で感じていたい

頭で考えた1枚はきな臭いから

師匠 柏原
柏原がアシスタントをした戦場カメラマン ユージンスミスへ
ブレずに俺は海の裏街道に独りいますと
笑う

彼らは今はいないが

今も彼らが命をかけ残し、無言で伝える1枚と

そこにわずか数ミリの印画紙に残った風がある

心澄まし
耳すまし
感覚を研ぐこと

己を練磨する
宇宙と呼応するだけ

すると1枚が写るだけ

至ってシンプルな話し

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