神楽坂の現像所 データフォトさん
フィルムや印画紙が海外で発明され輸入され100年

今や現像機も印画紙も風前のともしび

日本製デジタルカメラで写したデータをスキャンし
印画紙へ幾度も焼いて行く

自分ではできないから職人さんの感覚におまかせ

98年頃からデジタル化した写真業界
ユージンスミスの助手をし
車や人物の撮影をしていた、柏原誠 師匠

ある日 
笑いながら「俺は写真や やめるわ!」
お前は海にバ〜ン!と行け!
写真機は所詮道具だぞ

と言い出して 

驚いたあの日

「これからはデジタルカメラになり
俺たちの腕の見せ場がなくなるから
つまらね〜

だからな絵描きになる!」

言い本当にやめたオヤジの
あの潔さは生涯忘れない

昔はあの酢酸の酸っぱい匂いの暗室で
自らプリントし納めた
ちゃんと写ってるのか?
現像失敗しないか?
納品に間に合うか?

すべてが緊張の連続と大変な作業だった

それが今では嘘のように
コンビニで物を買う感覚になり
1枚の写真を大事にしない風潮に飲み込まれかねない

今年で13年目の代々木上原のファイヤーキングカフェさんの展示
この場が毎夏あるから、作品意欲をかき立てられる

毎年新作を,夏の個展が終わりだすと撮り始め
15~16枚選んできた

電卓を使わないと答えがだせない頭で
13×15=195枚

そこからお客様のもとに飾られて行った不思議

波達は元気かな?

今があり未来があり
その今が瞬時に過去となる


実は連続して回転しては繰り返す

多にして一
一にして多

観念的な世界観を押し付けられがちな今
日本の国土の約8割が山だった性質上
今よりも美しい景色の日本の俗世間から
目の前にそびえる、音信不通な山に入り
擬死再生を試みた過去の修験者のように

実際の体験と体感、感応した事実を
本当の自然界で知れば

頭でこね考え、イメージした虚構の愚かさを知り笑う

万物や生命は地球に絶妙に溶け合い
人間がだけが一方的に、この地球を破壊している

自分の小さな力と巨大な地球の力を正直に認める
ことが、あの魔界から生きて戻る手段の初歩である

日本は島国である
ならば
美しい魔界の海で祈ることも
山に分け入り瀧をあおぎ、磐座を崇めた先人の憶いと
同じだと信ずる

何はともあれ
朝日の差し込む波の中は本当に美しい

これ以上の言葉はない

今を見るには少し前から観る事

波を写す行為が波の中の修験道だと信じてやまない

1枚の写真に救われ
1枚の写真に背中を押されて海に落ちた訳です

本質を観る
本質で生きる
本質をパチリ

たくさんの今から教わり感じたのは頭でなく胸でした

見て頂いた皆さんの胸の辺りが「ざわざわ」しすような1枚を

7/18火曜の11:30~ 8/20日曜深夜2:00まで
代々木上原駅前に展示させて頂いています。

ファイヤーキングカフェ
渋谷区上原1-30-8
Tel 03-3469-7911
wwww.fk-cafe.com

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