入海

クック諸島
ラロトンガ島の沖300m

雰囲気が恐ろしい

前に遠いな〜

ゴマ粒のような
サーファーを見つけたのは昨日の午後
この島には波がないのか?と

ま〜いいや
うまいものでも食べるか
レンタルバイクを
海辺のホテルに向け
海の見えるオープンカフェで
ハンバーガーを食べた

帰りがけ、公園の木々の向こうに
さっきはなかった
レンタルバイクが3台に海に向かい停まっていた

感覚なのだが
こんな場所に不自然で人はいない
もしかしてサーファーか?

と思い
バイクのハンドルを切ると

はるか彼方にバイクの乗り主
サーファーがいた

強烈なほれた
早い波に乗るが
どうもボディーボーダーか?
遠くて見えないが

この時は嬉しかった

急いでと言っても20分かけ宿に戻り
カメラをセットしウェットきたまま
戻ると

彼らが戻ってきた
砂浜ですれ違うと
ニュージーランドからきた若者

流れはあるの?
と聞くと左から右にゆっくりだけど
悪くはない

泳いでいくの?
とびっくりされたが
行くしかない

誰かいれば心強いが
誰もいない海まで20分
強烈に早い波は、全く休ませてくれなかった

戻れるのか?
潮の引き具合によっては
浅くなり戻れない?
のかもしれない

刻々と変わる水深
に気を配り

包むように迫る波を
潜ってはかわす

写真は3日目
誰もいない海は
独特だ

鉛色の波が壁となり迫り
サイズアップしてきた
これは海が引き始めた証拠

戻れなくなるギリギリが
迫るという警告

雨が降り始め
ブルーグレーの水面一面に波紋が現れた

誰もいないうみで
絵も言えない怖さが
祝詞を読んでも大声で立ち泳ぎで
くじ切りをしても脱げず

20分かかりここまできたが
帰ろうと決める

何か良くない感じがする

滞在はわずか15分

胸がゾワゾワして
波を潜り抜けるのも
なんだか上の空
緊張感も消えただただ胸が怖いだけ

負けてたまるか!と
意識を変えようとしても
この日の怖さは胸に全身を包む

そんな海でスローシャッターためした
わずか20枚の1枚

後で思えば
潮が弾き過ぎて戻れず
死ぬから

帰れと

海の神様が伝えていたのかもしれない

古い古いポリネシアの
神様か何か有機的な時間が住う海

こうした思いが人を
この宇宙と海のバランスに謙虚に生きる
のだと示している

海の水温
指先に感じる水流
胸に集まるワクワク感と
胸が潰れそうな怖さ

陰陽の世界を知ること

自分の力で切り抜けること

自然にまかせれば自ずと
気づけばいいようになる

頭は捨てて
体から入る

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