おぼろ海世

可能性がある以上
可能性に乗りきる

限界はないのだが
自分が決めてしまう
もったいない線

透明な青い波の中
大波の懐まで行かないと
写せない

望遠レンズは使えない上
仮に使えたとしても、その場に自分がいないのは
写したとはいえない
パパラッチである

答えは明快

泳ぐんですか?
泳ぐのやめますか?

息我慢するんですか?
我慢しませんか?

道は常に1つ

選べるが
今まで引き続けたくじは
あたりだった?

怖いを突き抜けると
笑う

幾度も怖い思いをし
実は何十年経っても怖い思いしかない

怖い思いは一体どこからきて
そもそも自分の中に
怖いな〜と思う成分があるのか

あんなに怖い経験を乗り越えたはずなのに
あれ?
また怖くなってきた!

お化けの怖いとも違う
漬物石で封じ込められる怖さでもない

怖さには味がある

この青い波の中
一人の怖さは格別だ

味わい深く
胸に染み付いた怖さ

たまらない

物理次元的、身体的事象として

怖いというソワソワした
何か電気信号なのか
独特なゾワ〜っとした波形が
必ず胸に一気に流れ込んでくる
すると
心臓がバクバクして
心房の弁まくが乱れ

呼吸が浅く浅くなり

やがて怖いエネルギーは頭や全身を駆け巡る

第2段かいは
ネガティブな考えが
冷静さをキンキンに冷やす
あ〜あのハワイの溺れた感じと同じ感覚
怖い怖いダメかも
ダメかも

呼吸が乱れ
空気をうまく吸えず
体の軸がぶれ、慌てて水をかく
やがて筋肉が硬くなり(乳酸が溜まり)
痛く動かななくなる

第3段かい

緊張と酸素不足
諦めと絶望が支配し

自分じゃない弱い自分が
支配する

喉の気道が閉まり
ヒューヒュー音だけで
擦ったはずの空気が肺にいかない

苦しくて苦しくて
それで、どんどん波はきて
波に永遠とグリングリン

あ〜苦しいな〜
あ〜何にもできない
もう泳げない

苦しい
息が息が吸えない!
ゼイゼイ
ヒューヒュー

この苦しさから『逃げたい!』
ここから『逃げる』には息を止めちゃえば
楽になるな〜

と思うんです

これは本当です!

これはいわゆる『溺れる』です

ここで逃げを選ぶと
あの世

ここで
逃げないでスイッチを
入れ替えたらこの世

人間なんか生死はそんなもんです

三途の川の婆さんにふねの渡し賃
六文銭を常日頃意識した
真田幸村は男だ!

徹底していて
六文銭をマークとして戦いました

気持ち一つ
一呼吸落ち着いて
肩の力抜いて

ようし!〜
生きるぜ〜
頑張るぜ〜で肉体的は変わりませんが
スイッチ入れたように元気に
状況は変わらなくても大笑いしてます

そんなもんです

決して諦めないが
引くときはひく
いくと決めたらいく!

メリハリです

とにかく
海岸に戻って後のことは考えたらいいです

泣こうが
笑おうが
反省しようが

僕の場合はまた、溺れた海へ2時間後行きました

なぜならば
泳ぐ自信がなくなり
その失くした自信を見つけたかったんです

そうじゃないと死んでも死に切れず
モヤモヤ感が充満

その自信を探すには
溺れた海へいくしかないと

誰もいない海岸で決めました

結果的には
海は大荒れでクローズ

海の神様が守ってくださり
お前の泳力はめだかだから
人間の子供たちがいる海へ行け!と
感じそこで5時間泳ぎ練習しました

片手でカメラを持ち泳ぐ自体
相当おかしなことですが

あの日がなかったら
今の自分はいません

見えないところこそ
自分の心を1プシュ!

絶対になんとかなります

しかし泳力向こう側へ泳ぐには
忍者の呪文だな!

とおぼろげに思いたち

そのおぼろげを信じ海で唱えてます

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