人は器

全国で修行を重ね

やがてごく自然に自分の気持ちに真っ直ぐに
好きな魚や寿司以外はやらないだけ

普通が今や普通でなくなる養殖は使わず
天然にこだわり

全国から数多のお客さんが来ると言う

出会いは先月
ふらりと良さそうなお店だなと
暖簾を潜ると
カウンターは常連さん1人

最初は全くお互いに話さず
黙々と握り、黙々と食べた
帰り際
松江には・・・・

作務衣で雪駄だったから
話しかけずらかったのか

出雲教さんへ写真をご奉納させていただきまして
しゃしんを?
そう

いや旨かった!
魚が下関の田舎で子供の頃食べた
のを憶い出しました

うまいだろ 

天然のうなぎね俺からサービス
食べて

蒸さないんよ

養殖は脂が臭いから
蒸すけどな

漁師が持ってくる
そこの川にいる

また来て!
あ兄とまた飲みたいから来てよ

いつですか?

いつでも大丈夫だよ


電話しますね

そして
再来

厳しい技術と一生懸命握ってきた秀さん
優しく、妙な回転の速い駄洒落だすごい
冷蔵庫から酒を出してきては隣で飲んで
カウンターに入っては次々と自然の魚が美しく出てくる

いろいろな活きた刺身

正直一升瓶の酒はうまくない
開けたてならともかく
時間がたつとすぐ味が落ちてしまう
店はその方が仕入れが安いが
うまいのは常に開けたての小瓶

あのな兄貴
兄貴

なに?

なんで俺が兄貴?
いいがや

夢にじゅロジン?がくる
何?
寿老人?

そうそれ!
あれやあの上にある!
おっ

寿老人はね仙人で南極星の化身
僕もこの1年月岡芳年の寿老人の掛け軸吊るしてます

腰に霊芝 魔法のキノコ持ってるでしょ

知らんがな

でもよ
毎日来るんよ

どこに?



夢に

毎日?

ゆめに?
そう
10年くらい前からの

えっさ
えっさ!
って
杖2本持って歩く

2本なんだ杖

そう
だから俺の守神
飾ってるんよね


優しさと暖かさの魚料理と空間に誘われ
常連さんが
毎夜、秀さんに会いに来るのもよくわかる

人は器

仙人のような魅力はそれでか

兄貴!いつ来るん!?

来月!









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