浮世

作品は広重の弟子2代目広重

その前に
江戸城の火消し侍の息子
安藤重右衛門(広重)は歌川豊広の門下で浮世絵を習いは決めたのは
1811年頃、幼名徳太郎15歳だという

この頃の武士は扶持(給料)が少なく
傘張りは、提灯張りなど職人にならざる得なかった

武士の政権から
江戸の武士や彼らを食べさせ
商業を発展させるため
近江などから商人が好待遇で募集され

江戸の町は伊勢商人や江州商人が商売に現れ

江州商人と犬のくそ
と言われるほど
江戸には多かったという

この頃から美しい日比谷入江や江戸湾は
破壊され、人間の都合で埋め立てられたから
商いや金を生むことは、宇宙と自然破壊に自動的に溶け合う

1856年の初め
広重に変身し
版元との打ち合わせの結果
美人画も描くが、やはり広重は魚や風景の緻密さとドキュメンタリー性が群を抜いている

そんな浮世絵も売れていた彼が
還暦を迎え剃髪し浮世を捨てる道を選んだという

江戸時代の寿命を思う時
広重さんの胸に現れたいた想いとは・・・・

そして斬新な 遠近法と江戸を歩き
江戸名所百景を描き始めた

1858年 上の山下
市谷八幡
びくに橋雪中
は2代目の作と言われている

まだまだ描きたかった途中で亡くなり江戸も消えていく
最後はたくさんの狐が変身するため集まる場
王子の狐の狐火の絵だ

師匠の死後7ヶ月後に制作された赤坂桐畑雨夕景も
師匠の制作中の版木が残っていたのか?
追加された絵と目録を含め120枚でこのシリーズは終了する
が寿命がまだ残っていたのなら、さらにその技術と人生が生む作品が
永遠に残るったであろうが
それが儚い命と無常の世界

北斎が90を超えたらおうぎを究め
100歳になれば神妙の域に達するものと考えている
110歳ともなれば、1点1点生き物のごとくなるであろう

江戸の景色を見ると青い絵具
をたくさん使い
川の多さを改めて知る

そして広重と同じく火消しの息子で
広重の養女と夫婦になるも,20歳もの歳の差のせいやら何やら別れ以後森田の名乗る
2代目(鈴木鎮平)の作品の一つが

この六十余州名所図会の天橋立(1859年安政6年)は
師匠広重が前年亡くなる翌年

重右衛門=広重と同じく名前は鎮平=重宣にする
確かに鎮平はぐっとこない。

写真もガイドブックもない時代
浮世絵や名所を描き版画で作られた(増産するため)
絵を手にとった江戸の人々の楽しみと旅への扉だったであろう

額もない時代
1枚800〜1000円くらいと言われた
浮世絵を買い
家に貼ったり、タンスにしまい出して見たり?
どうしたものか

この1枚も海外に流出し
戻ってきた1枚で
初刷りではないが、初刷りの真ん中あたり

神社や木々の茶色や
遠景の紫の夕陽
遠景の白い入江も初刷りは水色のグラデーションが入る
しかし近くの緑の透けた山や、海岸線には
キラ摺り(雲母)が見てとれる

浮きと絵は当時できた
最大のコウゾの手すきの紙の画面を
縦横無尽に大胆にかつ繊細にデザインされ
伝えようとした江戸の職人たちの思いが残る

大きな作品はこの紙を縦や横に合わせ1枚にみせデザインされている

写真はいい加減で
その瞬間を感じて押すから
一瞬の閃きと、その場の瞬間を観る力がいるが
押すだけでいいが

絵やしかもこの版画は色や奥行きなど
事細かな打ち合わせと、強烈な技を保持する
版元、素描師(浮世絵師)彫り師、摺師
の合作

これはクライアントと企画者、写真家、メイク、スタイリストと同じ
最後は写真家がおいしいとこをかっさらい、写真家の名前が1番に前に出る謎

僕の写真は、旅も行くまでも全て
一人で海の中で押すので合作ではないですが

ともあれ江戸の封建社会から
庶民も自由や味覚(京都から伝わったという江戸時代の料理)
など楽しめ始めた時代が自然にうんだ
後出しな言葉では芸術だが
日本のこうした美術品は地球上に類を見ない
緻密さと以上で過剰なこだわりと

何よりも色に対する極度な感覚は4シーズン(四季)が僕は
感情や情緒や宇宙の儚さや尊さを胸に訴え理解し

同時に茶道や武道、神道など
が、溶け合い実直に何千年も育てた風ばなのだと思う

今の僕たちも
目新しい安いジャンクなものや食べ物ではなく
一呼吸

空気や海の水は江戸時代や平安時代と変わらないのだから
目ないものを観て、触れる時間を、自らが蓋をしたり
ひもをかけた箱を開けて見たらいいと思います
 
何か広重さんたちの吐息がどこかに残っているはずです

古美術や、老舗の味、古い車からは

自然観、宇宙観、人々の思いやりや丁寧さなど
作品とともに今も呼吸する何かが
あると僕は思います。

古武士のように生きろ
と名付けた

古美術や茶道、写真を愛した
アメリカのトラックを販売する
玉川の城南ジープの先先代重太郎さんのことを思い出しました

Back to list

ページの先頭へ戻る