昔、オーストラリアを旅していた

建築家か写真家になりたいと思った
だけどそんな、知り合いも、なりかたもわからないから
考えてもしかたいな
でもこんな時間も必要だな
と笑いながら

2週間ほとんど毎日、朝から夕暮れまで
本を持って海岸にいた

よく飽きな買ったな
と今改めて笑った

当時はゴールドコースト
に住んでいたから
いわゆる国内旅行

たしか本はライアルワトソンの道の贈り物

パースはハエがすごい
口の周り、目の周り水分を感じて
まとわりつく

海岸もグレートホワイトシャーク(ホオジロザメ)がいると
後ろから噛みつかれたがステンレスの防護をつけたから
平気だったとか書いてあったアバロン漁師(アワビ)やサーファーに聞いた

風がビュンビュン吹く濁った海で
独りでサーフィンしたが足元ばかり
ガブリとこないか、三角のあのジョーズのひれが見えないか
気が気でなかった

それでもウィンドサーファーたちがそれぞれに
沖へ向かい風の中を走っている

ここでも勇気と強い気持ちの海の男たちを尊敬する

ついた日の夕方
海を見にスカボロービーチという海岸へいった

海面の遠くに西から東へゆっくり
動く光を見た
消えては現れる夕陽に反射する光は
イルカ?かなと見ていた
きっとそうだ

なんてピンクのオウムガ
ガーガー集まり始めた海岸を後に宿へ

宿はキースという暖かな移民の経営するイタリアンと併設された
安宿

キッチンやトイレなど共同で
寝る部屋はうなぎの寝床の様な
ベッドとたんす1つの狭いへやで
窓は反対側に覗き窓だけ

笑うな〜
狭いな〜天井がなんでこんな高いんだ?
謎の設計

こんな部屋には当然いられない
まさに寝に帰るだけ

数日後、海岸にいると
ゆっくり3つのヒレがうねる様に
左から右へ

あっ!イルカだ
そう思い
立ち上がり波打ち際へ向かうと

そのうちの一頭が
急に方向を変え
僕の方にきた

打ちあがるんじゃないか
と思うほど浅瀬に来て
お腹を見せて反転し

次の瞬間顔を水面から出して
目があった

不思議な体験の1つで
みょうに感激し体から暖かな感覚が
湧いてきた

(泣かなかったけど)

完全に意識が重なり
向こうは初日の僕のまた会いたいな
という思いをテレパシーの様に
感じていた様な
いわば再会!という感じだった

その後そのイルカには30年近くあっていないけど
言ったらまた会えるかもしれませんね

旅をすること
すべてが解決し
無限な時間が予想を超えた
予想がばかばかしく思え
忘れる様にもなる未知の扉が
待っている

持っていた本がまさに未知の贈り物

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