写真が示す

2002年のフィジーと2021年の日本

たまたまフィジーの離島で
大きな青い波を探しあて通った日々
毎日が命がすり減る感じがした
ここは明らかに聖域

手加減もまったもない
嘘のない世界に心が躍った

これこれ
これが本物の海だ!
と身体中に湧き出る嬉しさに元気が溢れた

圧倒的な巨大な波の圧力に
ひとかき間違えたら
大波に引き摺り込まれサンゴ礁で大根おろしになるか
頭を打ち、さようなら

ハワイで昔
頭から潜ったつもりが
一瞬で体が水中でくの字になり
ケツから海底の岩の隙間に落ちた怖さ

あの無重力で何もできない水流に
ひきここまれる感覚は今も残る

本当に胸に怖さが集まった

ここでも雨の中沖で独り
海も空も包む波が
全てを包んで暗い洗濯機に投げ込まれた

2発目で胸が押され
肺の空気が全部なくなり
雲の隙間から空めがけ
口から水面へ出ると
頭の上にまた波が来ていた

4発来たら死ぬかもな
と恐怖でつぶれる思いをした

記憶は頭でなく
胸だと思う

学校のちいちいぱっぱじゃ
知らない席に着く尊さ

海が学校

やがて
日本中を祈る旅と同時に、神社のある聖域へ

出雲の海
伊豆海で祝詞をよみ
くじ切りをする

海に流れ着いたゴミをたまに拾う

写真が変わったのではない
自分が変わったのだと思う

でも地球も海も毎年変わっている
地球が誕生して初めての破壊と汚染のスピードだ

写真は嘘をつけない
嘘をつくのはカメラマン

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