自分と溶け合う

暗い海へ行くと死にますが
明るくなる海は希望と暖かさが待っている

海は暗くもなく
明るくもなく
無色透明でいつも同じですが

太陽光がなく、光の反射がなく見えないのです

ですので夜の海も
昼間と変わらず同じ海です

でも
夜の海は見えないから
砂浜ならともかく
波も海底の様子も岩も見えず
戻れなくなります

水温も冷え
夜行性のサメがいたり

ただでさえ危険な海は
その難易度が上がります

何より精神的にパニックに追い込むまれやすくなります
パニックは自分の体内で頭で作り出す現象で
外から来るものではないので

ここは経験と冷静さを保つ為
古い武道に似ています
禅の世界にも通じます

だから夕暮れの撮影は
明け方より危ないのです

戻れる体力
海岸までの距離と泳ぐ時間
を正直に自分に問いかけること
だれも助けには来てくれないので

日常では使い方を忘れた
直感のまま生きること

ライトがあれば少しはマシでしょうが

山歩きと違い、リュックもバッグもない
最も海底の岩にも引っかかったりしたら危ない上
水の抵抗が増し逃げ遅れるから入りません

だからウェイトも巻いてないのです

水面に立ち泳ぎで浮きながら
空気を吸い込みながら
波の動きに合わせて
常に前後左右へ水面移動します

同じ波がないので
その大きさや
降りかかる方向や角度や水量を瞬時で見極めたと
同時にもう動いていないと
やられます

無駄な動きの
1秒は命取りに

常に待ったなしで波がきますから
シャッターを押す波以上に
100回近く潜っては浮いての繰り返しです

頭で1度考えたら
負の連鎖で
怖くていられません

海水は飲むと塩漬けになり
喉が乾くから最初の一口しか飲みません

川の魚は水を飲みますが
海の魚もエラで越して喉を閉めて
海水は1滴も飲みません
飲むと体内から塩漬けの干物になっちゃうそうです

でも僕は最初に一口ゴクリと味見します。
なんだか海が好きだから、つい来ました!と飲みたいのです。

沖では飲まないようにしている海水も
化学物質や放射性物質や細かい石油製品やプランクトンも
多少は巻かれて飲んでるのでしょう。

毎回色々観察をしてます

行くな行く
行かないなら行かない
このメリハリを瞬時に体で決めます

頭では遅いんです

面倒なことばかりですが
これでいんです

簡単に済ますことは
いいことはありません

自分なりの海との約束とスッキリ見つめることです

所詮人間はゴマ粒です
水の動きに溶け合うことしか
ありませんし、できません。

いつか死ぬこともあるかもしれません

余計なことや
ものは捨てて

自分をも捨てて
波に捧げて
悔いなく
やってみた時間が大事です

未来はどうでもいいです

人より細かな時間
そこでせい一杯頑張る!

陸に上がると
普通の人より、輪郭の影が薄いかもしれません

他人は他人
自分は自分の
水の惰性をゆっくり、全身で味わい感じる

それが感応です

Back to list

ページの先頭へ戻る