3病

水泳の訓練をしたのは17~18才
幼い頃から水に離れていたものの
長く泳ぐ事ができないと知っていた
コンプレックスもあったから
避けていた

子供ながら1つには水泳の授業の
結局は早く泳ぐが勝ちの教え方の競技目的と
硬い四角いプールに
強制的な押さえつけを感じた

手の動かし方
足の感じ方など
何も教えてくれなかった
昭和五十年代の学校

そんな折
お坊さんの高校の先生がスキー部の顧問でありながら
水泳の顧問だった

おい!
おまえの泳ぎじゃ海の学校なんか
いけね〜ぞ

お前にもしやる気があれば
教えてやるから
夏の2ヶ月学校に来い!

笑顔でどうすんだ?〜

来ます!

プールにくと水泳部の後輩たちが
滑らかに泳いでいた

おい!
お前たち知ってるな〜
きょうばしだ!
がはは〜

はい!

こいつに教えるから
5コース貸せや!

はい!どうぞ!

そんな荒っぽい始まりに
恥ずかしいも通り越して
ただただ夢中に泳いだ

手だけで泳げ!足は使うな!
水はこうかいて、流れにのれ!

惰性を感じろ!
早い!
まだまだういてガンマンして肘から水面に出して
遠くをゆっくり かけ!

水を飲みながらも毎日
よし20往復休みなく泳げ!
で気づくと
手だけ、足だけで数キロおよいだ

水をつかむ感覚
指先から体を支える不思議な水の浮力と
体の動かしたかを味わった

そしてそれは数十年後
頭にも聞いたことも、見たこともなかった
波の裏を泳いで撮る人になっていた

不思議なことを体験するだけ
自分が喜び、自信がつくのかもしれない

時期も大事
早くても
遅くても

良いとか悪いではなく

そのタイミングにどれだけ
正直に尽くせるか

自己の壁をするすると
抜けて前へ上へ行く

頂上なんて根性と青春めいた
一昔前の例えではない

それぞれの道がある

不思議なことに
あの日々がなかったら
この海は誰にも知られずに数億年光っていた

あくまでも地球や宇宙の影響を
知り尽くした海に
教えてもらっている

絶対的な力の中にいる以上
僕も海で死ぬことも十分にある

確率の問題ではなく
そもそもの話し

そのそもそもをよ〜く観て
自分の力を鍛え
自分の心を鍛え
自分の力量を正直に刻み
自然界の偉大な力に頭を下げ祈る

祈るとはどうか助けてください!ではない
無心な祈りである

旅先の話し

振り返ると海岸に蛇行した足跡があった
自らがしっかりと歩いた足跡は
例え海に消されても
忘れはしない

当てにしないで
頑張ること

物事は時間がかかるが
練習や試練や鍛錬は
海と同じく決して嘘をつかない

自分に嘘を捨て
黙って泳ぐ

競技でも競争でもないから
心配せずに
自分の1かき1かきで前進むこと

未来は必ずいつか
忘れたころに
胸に暖かなギフトをくれるから

心配
考えすぎ
恐れ

これ忍の3病

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