関門

幼い頃から
車からのぞむ関門海峡の反対の山にある
急勾配につらなる鳥居は

なんだか寂しげで
妖気のような影を感じていた

国道の激しい車の流れに
車も停める場所もなく

歩いていくしかない稲荷様

古い過去の時間に
人がこの地に祀った理由

源平の悲しみの海峡の先には九州
一番狭い水道は600mで
そこに橋を架けたのだが

そのおかげで
自然は破壊され
毎秒人の世界が高速化し

寝台列車あさかぜが消え

壇ノ浦の風をあるく人も少ない

その昔は赤間が関と呼ばれ
赤間硯がとれた山には
阿弥陀寺があり
耳無し芳一と壇ノ浦の合戦に
平家とともに戦い、亡くなった事になり墓地にまつられる
伊賀忍者 伊賀平内左衛門は服部半蔵家長の祖先である

高速化し
みえなくなった時間
はやすぎてそれが当たり前になると
自然に自然を尊ばなくなり

人の心もせっかちになる

神仏は都合よく
困ったときや、ご利益祈願の為に
あるような昨今

個々の心に吹く潮風を
ゆっくりと自然に身をゆだね
時計をはずしてみては
いかがなものだろうか

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