残像を先に見る

そぞろ神のものにつきて心を狂わせ
道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。
松尾芭蕉

そぞろ神ががとりついて
おちつかない心境になり
道祖神のまねきにて・・・

旅にいきたくなっちゃった

これが深川の家から
松島の名月を見に行きたくなった
という
松尾さんの素直な心境が旅の始まり

人は古来
いや、元来この宇宙の時間にたちあい
生きる中で
その美しさと表裏一体の怖さ(命が簡単に失われる)
を感覚的に染み渡り
今よりたしかに地球の回転にそくし
野生的に生きて来たのだが

便利なスイッチ一つTVをつけ
いかした植木鉢で植木を買い
漁もしないで買う生活で
日々失われている

その産物がプラスチックや、放射能ゴミ
洗剤やらなにやらの物理的なみえるゴミ

数億年かけた海岸や
珊瑚礁が2度と戻らないように

人が失ったみえない
時を取り戻すのは難しいのか?

便利が悪いとは言わないが
溢れ出て海にこぼれだす物質と欲求は
地球を日々宇宙さえもけがしていく事実

ありにままの
地球に行けば行く程
その強烈な力と悪気もない死を感じ
その意味と生きる力をもらう

物質が増える程
生き死にを忘れるのもあたりまえ

裸で波に行けば行く程
そぞろ神がいると知り
松尾さんのように自由に旅へ

命がけの旅をした伊賀の松尾さん

不可思議な通行手形と旅に資金
各地で有力な大名達に歓待をうけた
かれの得体は知れないが

感覚的にこの地球と宇宙や神々のバランスを
身を以てしっていた哲学者であり
実践者である

わずか320年前
にこんな旅人がいて

その言葉は生き続けている

人の命は儚くとも
1枚の写真は生き続ける訳だ

旅へいけば
わかることがある

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