フィルム

2003年の今頃
フィジーの離島にいた

空港で5時間待ち

グライダーの様な飛行機と
海岸からボートで島へいくと

地球の果ての
波の裏側に
青く光る聖域があった

36枚フィルムで十分だった

よそさまの土地と海
ギリギリの状態で泳ぐ訳だから
酸素ボンベも
人間側の要求も
身も心も無心でないと
なんだか
海岸に戻れない気がした

人間の泳ぐとか
泳げるとか
そんなものは何一つ通用しない事は
頭上の島を包むように崩れる大波に巻かれ
知った

風がひとたび吹けば
波も水温も瞬時に変わる
水深は2m程
海の水が急に静かに集まると
水の壁が迫り来る

空に1羽
白い鳥が様子を見に来た

周りには誰もいない
日常では必要の無い行為

でもなんだか無生に
幸せだな〜なんて
水面に浮いている

サメが食べに来ないか?
大波が来ないか?と

都会じゃ使った事も無い感覚と触覚を引っ張りだし
そうか〜
眼に見えない力や験力はこうした
際に使えたらいいな〜と

思う行者達の気持ちがわかった

都会にいたら
こんな野生を感じず

知らないまま棺桶なら

この波に飲まれて棺桶のほうがいい

足すも引くもない

飾らないありのままの美しさに

惚れたわけだ

そうした写真じゃないと
人にも海にも失礼だと思った

やってみりゃいんです
何でもドーンと!

今年のファイヤーキングカフェの展示は
こうした未公開のフィルムから最近の日本の御来光と波
を織り交ぜながら

海を海の神様を繋げたらと思います

改めて過去に感謝すると共に
色々な海の話をして行けたら幸いです

Back to list

ページの先頭へ戻る