村里遠くにしておのずと寂静たり

大きな波を探していた
フィジーの離島で独り挑んでいたあの日々

夕方になると
海が冷え
闇がその全てを飲み込みはじめる

フィジーの裏側の彼方は南極だ
波のたつ沖は不気味な黒い水をたたえ
何が出て来てもおかしくない
独特な雰囲気だ

水中にも自分以外誰もいない
サメがとにかく怖いから
いつも周囲に眼を配る

正直
全て怖い!

待った無し!

流されても藻くず
溺れても藻くず
誰も助けちゃくれない
藁をもつかむ とはこの事かと知る

あまりの現実をもう笑うしかない
空を隠しながら
島を包むように三日月がたに崩れる大波
その崩れ,弾け飛ぶ白い波がしらは水面から6mはあろうか

暗黒の泡に引きずり込まれ
天地不明の苦しさと怖さは

たまりません!

人生でこんなに怖い事があったのか?と
その怖さは常に塗り替えられていく

そんな経験がかえって邪魔をする
過去の経験が怖さを呼び
ネガティブな気持ちをひきよせる

心の行き場を失うと死ぬ

心が潰れる思いに潰されないように
泳ぐしか無かった
夜,足が着く粗末な木の宿に戻り
よく生きてたな〜と感慨にひたる

思った事をノートに残す

ここでは波をくぐりぬけ
泳いで息を吸うだけ

単純明快が好きだ

限界は自分が決めている

頭で限界を決め
心がざわつき
自分から逃げると魂が抜け
あの世へ近づく

心と体の軸がぶれると
必ず巻き込まれた

経験,体験、修験

験を知り
己を知る

己の力を正直に認める

ここで生身で泳ぐには
それしかない と
はるか400m沖で思いました
地に足がつかない時間にまどろみ

え〜また泳いで帰るのか〜
山を登れば下ります
ここまで泳いだら
また海岸へ
根性と体力と気力

人里離れた遠くに身を置くと
心が鎮まり何事にもとらわれない境地になる

そうです

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