2002年
36枚フィルムカメラを入れた防水ケースを握りしめ
フィジーの離島で撮影していた

今程経験も,波を見る目
波を観る心も浅っかた頃

この写真を現像して現像所が驚いた
何を写したの?

この時
人間の目は本当の色を見ていない

これが嘘のない美しい原始のままの海だと知る

これを知りたかった
裸で波の中へ苦しく、危うい時間に
教えてもらいたかった

嬉しいの一言の奥に
感慨深い、この日迄の過去を振り返る

奇跡の様な旅の途上

あきれる程
無知で
無鉄砲な波

珊瑚礁の島の波は100mくらい壁となり
丸い島の地形にあわせて
左から右へ空を隠しながら
ラップしてくる(くるむ)

心臓が締め付けられる怖さ

アドレナリンが胸に集まり

すぐそばに紙一重の死を感じる

巨大な波が逃げ遅れた僕を
轟音とともに5mくらい前で
水柱をあげた!

もうとにかく鋭く深く潜って
逃げるしかなかった

その1枚

が2005年の初めての波の個展で
写真をはじめに何枚も購入してくださった
熊谷さんご夫妻

その4年後
写真集に莫大な費用をだしてくさり

その8年後伊勢神宮に写真集がご奉納され

共に伊勢神宮の内宮の中へ

巻き戻さないと
考えられない時間

しかし
始まりがなければ
途中も終わりもない訳で

始まりが大切

スマートフォンやインターネットの情報と電気中毒な今

調べたり
頭で考えてしまうと

感覚も感性も心も濁る

とにかくやってみる

とにかく無心で自らが感じた海へ身を委ねる

やがて想像もしない
1瞬がむこうから訪れる

波の音によばれるように
音連れをまつ

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