本当の地球へ

この数年海外の波は故意に行かなくなった

水が透明で泳いで行けそうで
サーファーがあまりいなくて
波がある場所

これがなかなか難しい

2002年頃から取り憑かれたように
続けた
武者修行と称した独り旅
波があるかは出たとこ勝負

なにより海外は特別怖い
環境も波も桁外れにでかく強烈だ
サメやらバラクーダやら潮流やら
完全な他人の家に土足で入り込む訳だから

常に「すみません!」

時がたち
地球が人間に知り尽くされ
過剰に破壊されていく事実

遥か遠く遠くに行かなくては
地球ができたころからの山や海は無い現実

防波堤もテトラも電線もビルも無い場所

いつか絵本でしか見れなくなる

ここフィジーの離島も
飛行機数回乗り継ぎ、空港で5時間待ち
小舟1時間
3日がかりだ

飛行機はまるで子供の頃の古い遊園地の
乗り物のごとく箱
シートベルトも適当で
すべてがゆるい

でもこんな波が生きている

おいおい嘘だろ〜と
胸に恐怖のアドレナリンがぎゅっと集まる

そんな心が潰れそうな怖さと美しさの狭間で
古い時代の精霊やスピリットを純粋に信じれる時間にいる

ありのままの嘘をつかない地球と宇宙で
死ぬ可能性のある場に心を置くことが
いかに人間に大切か

我々は地球のボスじゃないと
もう1度考えなくてはいけない

この波の話し

ここはサメがいるうえ
浅いので満潮しか入れない
前に足をかまれたサーファーがいたが

あいつは村にも挨拶にこなかったから
お前は村長からセブセブ(お祈りの儀式)もうけてるし
家族だから大丈夫!


根拠ないこの自信が好きだ!

夕暮れ大雨がふり
沖で待っていた船が村人を迎えに行くと言い
いってしまった

20分後がやっぱり1時間
どんどん潮が引く高速な波と
大雨の夕暮れの波で
間一髪の連続に集中力が切れ
胸に怖い!が凝縮する

あと10分来なければ
泳いで1キロ戻らないと闇の海は死ぬな

すると雨の中エンジン音が波音の轟音と重なる

うれしい薄墨の景色から黄色い雨合羽を来たセブ

ごめんごめん!

おいセブ!
フィジータイム!だな

そうそうフィジータイム!

ホッとした一瞬

もう2度と行けない海

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