個展中
これは何ですか?

と聞かれる

自分でも初めてみる世界に
わくわくしながら、泳いだ真冬の波の裏側

太陽が昇った瞬間
の裏側の30分間
いや五分間

神社の目の前の海で
龍神祝詞を捧げ
忍者の呪文を唱え

東から来る太陽と絡まる波を崩れさせて
一呼吸受け
同時に体をひねり
腕をのばして太陽をパチリ

今迄は西に沈む太陽と去る波
これは東から迫り来る波

実はものすごく難しい事をしています

崩れる波の中で必ずアゴを引くこと
波のエネルギーは桁外れで

顎を引かないと
頸椎をやられてしまう

どんな時でも波の中ではアゴを引く事
四角い水泳教室では教えない事実

生きる術
撮る術
水中に潜る術
水中で波をかわす術


を磨き

間と感覚で生きる

そして
心術

これはやはり武術で体術であるが

いかにめまぐるしく変化する状況に
合わせていくか
余裕ある心の間で無駄無く動く訳だが

これこそが心の平穏
心術である

伊賀や、甲賀の忍達が
厳しい地球で鍛錬し、神仏や
義勇を尊び
仲間と郷土を愛した時間に
通ずる

これは水遁の術である

人間の力の向こう側
に一条の光を探す

忍術書にも
忍術の本質は正心を第一とし
忠義の道を解き
生死の道理を理解する とある

忍びとて道に背きしぬすみせば
神や仏のいかで守らん

            忍歌

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