海から

この海の裏側で
起きている事など
普通の暮らしをしていたら
一生知らないままだろう

とにかく遠い
ここまで泳ぐのも遠い
だけど又来てしまう
路地裏ならぬ自分だけの行場?

とにかく張りつめた怖さと
美しい幸せな感覚とが混在し溶け合う場で

こうした場を聖域というのかもしれない

まだまだ人間が機械で破壊していない
生の昔のままの天然の海

だからここには
浮き世と さようなら
がいつもある

魚や鳥には楽園だが
人間は長くはいてはいけない
長くはいられないもう一つの地球

だから謙虚にならざるえない

行くのも
戻るのも
自分自身のみ

記憶をたどり
記憶を還す
のが海場である

よかった
死ぬ迄に知っていて

手加減も待った!もない世界が好きだ

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